専門用語を使わないマーケティングのハナシ。Vol.1

 


専門用語を使わないマーケティングのハナシ。

その1 「お客様は誰だ?」の巻


文:伊豫田 竜二(ソロビズ主宰:中小企業診断士)

 

 

その1 「お客様は誰だ?」の巻

起業を目指す&開業した読者のみなさん誰もが「これは売れる!」と思ってビジネスを興すことだと思います。ところが、「こんなハズではなかったのに・・・」という事になっている人は少なくありません。

それは作り手の思いだけで、買い手側の気持ちを理解していない「独りよがりなビジネス」になっている場合多いのです。皆さんは「自分のビジネスに対する”お客さま”は誰か?」という事を考えたことがありますか?

意外に消費者不在の商品づくりって存在するのです。たとえば、スーパーマーケットで陳列している色とりどりの野菜。確かにきちんと整列して配置されている野菜たちは、見た目がきれいで買い手にとっても良いように思えます。

しかしながら、これらは流通事業者が自分たちの価格競争を生き抜くために、生産者に対する「お願い」をしたものであり、決して生産者農家自らが好き好んでこのような「工業製品的」な規格品の野菜を作っているわけではなく、自分の生産物を直接買ってくれる流通業を「お客さま」としているのです。

日本の食糧自給率の低さは、案外この当たりに課題が隠されているのかもしれません。

また、この逆を行くのが「道の駅」やわくわく広場で知られるタカヨシなどで売られている野菜です。こちらは作り手の思いが主で、野菜が出来たときに、自分の好きな価格で販売しています。
消費者は地場の野菜が新鮮なうちに買えると好評ですが、必ずしも消費者の欲しいものが、欲しい時に、欲しい値段で買えるわけではありません。

最後にニッチな市場を見ていくと「らでぃっしゅぼーや」に代表される、有機・無農薬の野菜を宅配販売する事業者です。 このビジネスモデルは「安心・安全・高品質」を求める消費者の声に合わせて、独自の契約農家で栽培をおこない、加工品も90%が自社開発となっています。

もちろんその分、生産する手間とお金がかかりますが、それだけのお金を払っても「この会社の商品を買いたい」というお客様の支持を得て、いまや上場企業にまで拡大しました。

一般スーパー、道の駅、宅配販売と3つのビジネスモデルを紹介しましたが、いずれかが絶対的に良いという答えはありません。ここでの問題はみなさんの考えているビジネスが、どのお客様に対して提供されるべきものか、きちんと説明できているかという事です。

さて、同じ「野菜を売る」ビジネスでも、生産者・流通業者・消費者それぞれの視点で考えると全然違うビジネスモデルになる事が理解できたでしょうか?

また、面白いビジネス視点を見つけたら配信します。お楽しみに!

<参考リンク>

らでぃっしゅぼーや決算短信(9ページにビジネスモデルの概略あり)
http://corporate.radishbo-ya.co.jp/company/koukoku/22_2gatu_tansin.pdf

タカヨシ
http://www.takayoshi-inc.co.jp/

 

初出;2010年9月
メールマガジン「メルマガ起業セミナー」に寄稿したものです。

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